まず気持ちありきで

よろこび、それはクライアントに喜んで頂けるということに尽きるのですが、直のクライアントであればそれをもっとも感じることができますね。

喜ばれない限り、信用も絆も生まれない。
初めてのお取り引きとは探り合いである。

どんなにマーケティング学が発達しようとも、あくまでも机上のものであるし、デザインが美しいといっても売れるという保証書にはならない。
世の中を見渡してもどうしようのないデザインでも売れているものは売れているわけです。
つまり、クライアントや消費者をあらゆる意味で「その気」にさせることができたかということ。
我々デザイナーは、まずクライアントとともに気持ちを高めていくことがまず大事。この両者の高まりさえないのであれば、はじめからその開発中の商品は売れないのではないか。情報が多すぎる世の中で逆に多くの希望を捨てて「そこそこ」を求め過ぎ、肝心のスタートからクールにやりすぎているのではないか、と。

そうした意味でも直でクライアントとやりとりをするということは、ライブそのもののようなものでとても楽しくスリリングでもある。
そして間接的な仕事の場合、闇夜を探るように歩くといってもいいぐらいの道も多く、経験上の勘ではない、直感という罠に注意してやっています。