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横浜へ打ち合わせに出向いた帰りに電車に乗るとやたら激しく車両が揺れた。発車間際に大勢乗り込んで来たのだろうと思っていたが、それが問題の地震だった。
2時間余り運転再開を待ちながら駅のモニターなど見ていたが、尋常な様子ではなく、終日不通の可能性という情報も入ってきたため、ともかくというか無目的に近い感覚で東京に向けて歩き出す。不謹慎な表現かもしれないが、花火大会の後のように大勢歩いていた。途中のコンビニも歩きを一休みする人で賑わっていて楽しい語らいをしているようにしか見えない。
途中でタクシーが拾えればと甘い考えを持っていたが空車などなかったし、そもそも道路は渋滞でほとんど動いていなかった。またビジネスホテルも数件あたるがもちろん全て満室で、ロビーでは先手必勝な人達がのんびりしていた。
結局高輪まで約6時間歩き、動き始めていた地下鉄に乗って帰宅できた。
横浜近辺では津波が襲って来たわけでもないし、巨大なビルが倒壊したわけでもない。
そうしたパニックから逃げ惑っていたわけではない単なる帰宅難民なのだが、
災害に遭遇すると人間無力だな、でも見ず知らずであっても人がいる、そのことだけでとてもありがたいことだな、そんなことをぼんやり感じた経験だった。
そして翌日気がついた。3月11日って、死んだオヤジの誕生日じゃないか。どうなってる？
新たに出てくる地震の報道が恐ろしい。一刻も早くおさまることを祈るだけ。